FC2ブログ

平和荘の懲りない面々

heiwa-1.jpg

 人生初、会社(バイトだけど)をクビになった。Dance de Ogasawaraの動画が島で話題になり、それがボスの耳に入って、仕事現場が映っているという理由で怒られた。その一件からボスからは目を付けられてしまったわけだが、とどめとなった事件の経緯はこうだ。会社の寮に従業員共同の小さい食堂・キッチンがあり、私はいつの間にかコックとして毎晩の様に釣ってきた魚やらタコやらを元に料理を振る舞っていたわけだが、ある激しい雨の日の日曜日に、休日なのに外にも出られないと言うことで、食堂で映画上映をすることを思いついた。早速プロジェクターの設置場所を工面し始めたのだが、どうしても天井に吊さないと具合が悪い。そうすると電源が届かない、さてどうしたものか。普段から音楽をかけるのにパソコンとスピーカーを持ち込んでいたのだが、電源が一カ所しかない上、場所も悪く、パソコンはトースターの上、スピーカーは調味料に埋もれる様な酷い有様だった。これを機にそれも一新してしまえ、電源を増設してしまえ、となったわけ。何せ離島なもので、10mの延長コードとなると品揃えが乏しく値段も高い。数少ない雑貨屋を巡り、電源ソケットのばら売りを発見したので、自分で作ってしまった方が安くて良いと思い、今度は電線を求めて雨の中店を行き来した。結局売っていなくて、島の電気工事を請け負っている会社を同僚に紹介してもらい、事務所に行って10mの電線を譲ってもらった。食堂に戻って工事を始め、冷蔵庫の横のコンセントから壁と天井を伝って電線を引き、ソファーの横に新たな電源を2口増設。長く使える用に、自分が去っても残すつもりでちゃんと工事した。プロジェクターは天井にフックを4つ打ってベルトに抱かせる形でぶら下げた。同僚数名とビールを飲みながら、工事しながらも新しく入手した鉄板で鉄板料理など作って、シケタ雨の日の休日を謳歌していたわけだ。設置が完了していざ上映となると、今度は照明が気になる。蛍光灯を付けると明るすぎて映像が見えない。消すと暗すぎて食卓が見えない。ちょうど小さい電球があったっけ。付けちまえ。余った電線を引っ張って、今度は食卓の上に新たな白熱灯をぶら下げた。映像良し、音楽良し、照明良し、料理良し。島に来て初めて食堂を見たときは「こんな小汚い食堂で何が出来んねん」と思ったが、少しずつ掃除をして、徐々に調理器具や調味料を増やし、やっとこさ良い空間になったと思った。部外者の立ち入りは絶対禁止だが、夜な夜な開かれる宴会の噂を聞きつけて、外の駐車場に別席が出来る程だった。料理好きの私に取っては、新鮮な魚を使ってふんだんに料理研究が出来、美味しく食べてくれる仲間も居て、至福の日々だった。
 次の日の月曜日、いつもの様にキツイ現場仕事を終えて帰ってくると、ボスからの号令で全員事務所集合。なんの話かとドキドキしていたら「昨日食堂に電球吊したのは誰だ」ときた。「私です」と手を挙げた。「お前は人ん家に勝手に電球吊していいと思ってんのか?」と完全にキレている。「.....」「お前一人でやったのか」「ハイ」「じゃあお前はクビだ、次の便で帰りなさい、クビだから帰りの船賃も出ないぞ」「.....あひ〜」
今となってはちょっとした笑い話ではあるが、まーショックであった。我々が日々利用し、掃除し、ある程度管理している食堂を所有していると言うだけで「人ん家」と言われたり、頑張って働いて来た従業員に対しての仕打ちとしてはちょっと悲しくなるが、今までどの職場に行ってもちょっとした物を作ってきた私も、壁にスクリューを打ち込んだりすることに対し麻痺していた部分もある。けれど電気工事等に関しては、長い間冷凍機屋の助手をしていたので、素人ではない。と、この件については今でも悶々と自問自答してしまう。
 「追加処分として食堂の利用停止」もあった。全員で冷蔵庫の物を全部捨てた。使える食材や調味料も一杯あった。その日の夜は、前々夜のライブ・BBQパーティーで余った挽肉を使ってキーマカレー・サラダを作る予定だった。昼休みにタマネギを買って来て、その日休みだった仲間に「暇あったら飴色タマネギを作っておいて」と頼んだのだが、彼の性格か、律儀に素晴らしく丁寧な、黄金に輝く飴色タマネギが完成していた。それも捨てた。とても悲しかった。寮の白板に「本日キーマカレー・サラダ付き ¥400 18:00〜 がっつ」の文字が無残に残る。最初は自腹で振る舞って、代わりにビールなどを貰っていたが、人数も増え、毎晩の事となり会費を取らないと採算が付かない状態になっていた。
 クビになって3日間は落ち込んだ。親身になってくれる中間も居れば、そうでない仲間も居たと思う。イベントを打ったり宴会を開いたりする派手な行動や、毎日を目一杯楽しもうと騒いでいる輩を面白く思わない人も当然居るのである。
 次の便で帰れと言われたものの、DJイベントを組んでしまっていたので、考えた末それまで島に残る事にした。寮から出なくてはいけなくなり、泊まれる場所を探した。友人が住み込みで働かせてくれる宿を紹介してくれた。1日3時間の仕事で、宿泊費が無料。町から離れた山の中の素晴らしい場所、シャンティーバンガロー。小笠原オオコウモリが外で鳴いている。僕は今ここに居ます。続きはまた今度。

Posted by DJがっつ on   0 comments   0 trackback

Post comment

管理者にだけ表示を許可する

Trackback

trackbackURL:http://djgatz.blog.fc2.com/tb.php/28-4880d1c1